奉仕活動
2006年
ロータリアンの水保全活動 雨水浸透ますの設置2006年12月11日
昨年度の地区大会では「水-第2750地区の水問題を探る」と題したシンポジウムが開催されました。
その目的は、ロータリアンに枯渇や汚染などの水問題を理解してもらい、その改善に向けた行動を促すことでした。あまり認識されていませんが、日本は決して水が豊かな国とは言えません。
地形が急峻で水源涵養林も限られ、近年は都市部の舗装が拡大する中で飲料水や食糧を輸入に頼っているからです。そして輸出している国の多くは、大規模な灌漑により既に主な河川が干上がり地下水面も大幅に低下しています。シンポジウムでは、健全な水循環を再生するために、ロータリアンが率先して「雨水浸透ます」を設置して、屋根に降る雨を下水ではなく地下に浸透させることが提案されました。東京都の試算では、平均降雨量1,500mmの東京で10,000基の「雨水浸透ます」を設置すると、年間1,000トンの湧水が確保できるそうです。
第2750地区のロータリアンが力を合わせればすぐに達成できる水量です。設置には、屋根面積50平方メートルあたり一基の目安で50,000円程度の工事費がかかりますが、多くの自治体が助成金を交付してその設置を促しています。新築の場合は建設業者に、既存の家に設置する場合には地元自治体に電話すればすべて教えてくれます。是非、六本木ロータリークラブでもこの活動に参加しましょう。
「雨水浸透ます」とは
雨水浸透ますは、下図に示すような構造をしています。
一番外側を透水シートで覆い、浸透ますとの隙間に砕石を充填します。雨水浸透ますの側面や底面には多くの穴があいていて、雨水は砕石と透水シートを通り、徐々に地下に浸透します。ますの形状、大きさ、素材には様々なものがありますが、内径25~30cm、高さ50cmの筒状のものが一般的です。
雨水浸透ますの目的は地下水を涵養することですが、その他に微生物等の目に見えない力を利用して自然が本来持っている豊かさを回復する効果も期待できます。浸透施設の周囲には土壌菌やみみずが増え、そこを通る雨水が微生物の作った酸素やミネラルを豊富に含む地下水になります。ミネラル豊富な地下水は湧水や川の水となり、水生昆虫や小魚が住みつきます。すると、それらを餌にする野鳥などが集まり、さらには野鳥によって運ばれた植物の種により、植生全体を豊かにしていきます。
(記:社会奉仕委員長 岡田)