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国際ロータリー第2750地区 東京六本木ロータリー・クラブ The Rotary Club of Tokyo Roppongi

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卓話

2017年8月

卓話『「マイウェイ国際協力」延べ30年に亘る国際協力経験と世界観』平成29年8月21日

成瀬 猛様

麗澤大学 外国語学部国際交流・国際協力専攻教授 成瀬 猛様

私はここ10年大学の教授をさせていただいていますけれども、その前までは青年海外協力隊としてずっと国際協力の道一本できております。JICAを退職し大学教授に転身しても、国際人を目指す学生たちを育てるということで、立場は変われど国際協力は相変わらず自分のマイウェイだと思っています。

国際協力を通じて世界のいろんなところに行っていますが、どこへ行っても日本人に対する尊敬の念を感じなかったことはありません。40年近く前までは日本は成り上がりの経済大国というイメージを抱かれていましたが、国際協力に尽力した人たちのおかげで日本に対する評価が30数年でだんだんと変わっていくのを体験することができました。これは一夜にして出来るような信頼ではないです。多くの人たちが汗を流しながら、時には涙しながらやってきた本当に大事な資産だと思うのです。それを日本は継承していくべきじゃないかなというのが、私の非常に強い今の気持ちです。

ですから大学教授に転身したのは自分の希望でもありました。国際協力の最前線で協力隊も含めて30何年やってきた自分の背中を見せることによって、学生たちが少しずつ成長してくれたらいいなという思いでやらせていただいている次第です。

我々日本人は思い返せば物質文化にどっぷり浸かってしまったという部分があって、日本人らしい良さを忘れてすごくセルフィッシュな人が多くなっているように思います。逆に本当に日本のいいところをまだ失っていない若者たちが現地に行って、現地の人たちと交流することによって向こうの人たちが日本の良さをさらに理解してくれるし、日本の学生たちも日本人がDNAとして持っているやさしさを再認識して日本に帰って来て、さらに勉強を深めて国際人になっていってくれたらこんなに嬉しいことはありません。

少し日本の国際協力についてお話しいたしますと、日本は1945年に敗戦国になります。国連に再加盟するのは1956年なのですけれども、その間11年間日本は国際社会に復帰をしようと思ったけれどもなかなか認めてもらえなかった。でも国連に再加盟する前、実は1954年に日本は国際協力を始めているのです。

きっかけは1950年にアジア太平洋地域の戦後復興のために元イギリスの支配地だったところが集まりコロンボ・プランという、国連とは全く違う戦後最初に出来た国際的組織に日本が1954年に参加したことで、そこから発展途上国に技術協力を始めているのです。

その後スリランカを始め、アジアの国々が日本の国連復帰を後押ししてくれて、その2年後に日本は国連に再加盟しているのです。日本は1945年から国連再加盟の1956年のまでの間に、実にうまい外交政策を行ったのではないかと個人的に思います。

戦後復興をしなければならない間、日本は世界から援助を貰いました。でも同時並行しながら日本はアジアの国に対して研修員を日本に呼んだり、日本のエンジニアを発展途上国と言われている国に送り込んだりという技術協力を始めているのです。

短い間に復興という大仕事と、国際社会への復帰、そして日本が今度は戦争する国ではなくて世界の為に貢献する国というイメージを確立したのです。

ちなみに青年海外協力隊という事業は、もちろん国際協力の一環として始まったものなのですけれども、政府主導で始まった事業ではないのです。若者たちの日本を支える為にもっと世界の事を知らなければいけないという青年運動が、政治家からも評価されて青年海外協力隊事業というものが発足しました。1965年に始まった青年海外協力隊の派遣というのは純粋な青年たちの思いで動き出したことが素晴らしいなと思います。

最初に協力隊が派遣された国がラオスでした。その後日本政府との間で派遣協定という2国間の協定が結ばれて増えていくのですけれども、最終的には世界の88カ国に青年海外協力隊は派遣されています。現在までに約5万人の若者たちが青年海外協力隊として世界に羽ばたいて帰って来て、日本で活躍しています。若者たちが何を日本に持ち帰ってくれるかというのは、やっぱり強靭な精神力と世界の人たちとのコミュニケーションの取り方、それこそ世界の国の数だけ、民族の数だけ文化もある訳ですから、そういうものを肌で感じて人間力として持ち帰ってくる。それは非常に大きいと思います。

例えばスリランカにいた隊員も水道もないし電気もない、風呂もないので小川に行って人目を忍んで身体を洗う。そこで2年間頑張って帰って来た子たちは、多分言葉ではうまく説明できないような内面変化をしているのだと思います。こういう人たちが今いろんなところでボランティアだけではなく、地方自治体や学校の先生として活躍しています。

私の学生にも協力隊志望の子たちが毎年増えてきて、その子たちを連れて青年海外協力隊の駒ケ根訓練所に体験入所に行ってきましたけれども、そこに行くとまた学生たちはすごく変わるのですね。そこで協力隊の候補生たちが訓練を受けているのですが、そこの中に一緒になって入ることによって、人との繋がりやチームを作るためにはどうすればいいのかということを肌で感じて、自分もこうやりたい、これからはリーダーシップを揮っていきたい、あるいはリーダーシップを揮う子がいればそれを一生懸命フォローするフォロワーシップを自分は発揮したい、という風に変わっていく。そういう学生の中からこの2年で協力隊の合格者も4名出しましたから、これからももっとこの数を増やしていけるように私としては頑張っていきたいですね。

この国際協力への思いを学生たちに少しでも注入して日本を支えていく若者たちを作っていければいいなと思います。

ありがとうございました。

卓話『IMについてのご案内』平成29年8月7日

堀江 浩様

IM実行副委員長 堀江 浩様

11月28日11時よりウェスティンホテルに於きまして、山の手東グループのインターシティミーティングを開催いたします。国際ロータリー2750地区の地区目標として、東京オリンピックを応援して行こうという目標があり、大槻パストガバナーはオリンピックを応援することは人道的支援であると仰っていました。猿渡ガバナーは応援するにあたり2750地区はマイナー競技を応援しよう仰っております。それを踏まえ、協議しました結果、フェンシング競技を応援することになりました。

北京オリンピック個人銀メダリスト、ロンドンオリンピック日本団体銀メダリストの太田雄貴さんの特別講演をしていただくことになりました。皆さんにフェンシングというものがどういうものなのか知っていただきながら、2020年のオリンピックに向けて皆さんと共に応援を出来る体制を整えていきたいなというのが今回のインターシティミーティングになるかと思います。

フェンシングの競技人口は現在日本全国で6000人です。それに対して、卓球や柔道は30万人と言われています。50分の1なのですね。大学や高校ではフェンシング部があり、小学生のフェンシングの団体もありますが、日本フェンシング協会に登録されている団体は68クラブしかありません。2020年東京オリンピックのフェンシング競技は幕張で行われます。幕張の6000人入る会場を9日間5万4千人埋めないといけないのです。

太田さんは「東京オリンピック6000人の幕張の会場をいっぱいにしなければならないのです。それが、僕に課せられた至上命令なのです。」ということを仰いました。

インターシティミーティングで太田さんに講演をしていただくことになっておりますが、2020年に向けて山の手東グループ、またロータリー2750地区が取り組むことはオリンピックを応援することですので、皆さんにご参加いただきたい。

太田さんは個人的にいろんなところでフェンシングを広める普及活動をしております。今回太田さんの講演をお願いしたときに、一つお願い事をされました。「11月11、12日に駒沢体育館で高円宮牌の大会がございます。駒沢体育館3600人の会場をなんとか埋めたいのです。ロータリーの力でなんとか応援していただけませんか」ということで山の手東グループ11クラブで1クラブ50枚、計550枚を購入することが決まりました。11月12日団体戦の決勝が17時ごろ行われます。そこに向けて動員をしていただきたい。私たちロータリアンが出来ることは、動員ではないでしょうか。山の手東グループではチケットの購入も行い、動員もということで皆さんにお願いをしたい。ロータリーの名前をパンフレットに入れてもらうことが約束されています。国際ロータリー2750地区山の手東グループはフェンシング界を応援しているということを日本フェンシング協会と共に協力をしながら進めていくことも出来るようになりました。

インターシティミーティングがゴールではないのです。インターシティミーティングがある意味出発点、キックオフミーティングですので皆さんと共に2020年フェンシング界を応援出来るような体制を整えながら、人道的支援、オリンピックに向けた動員を皆さんと一緒に出来たらなと思いますし、そのお願いに本日は参っております。

太田さんの講演題名が決まりました。「継続は力なり」です。まさに私どもも継続は力なり、2020年3年後に向けて皆さんと共になんとかこの競技人口6000人しかいない競技の競技会場をいっぱいにしたい。猿渡ガバナーは「ロータリアンのロータリアンらしいおもてなしを東京オリンピックで」と仰っていました。なんとか皆さんのご協力で応援を出来る体制を整えていただければと思います。そのきっかけが11月28日の山の手東グループインターシティミーティングになりますので、どうか皆さん沢山の方をお誘いあわせのうえ、是非とも3年後のオリンピックに向けた応援が出来るように、皆さんのお力添えいただきたいと思います。皆様よろしくお願いします。ありがとうございました。

ありがとうございました。



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