東京六本木ロータリークラブ




卓話

2014年12月

卓話『絶対に言えない野球審判の裏話』2014年12月15日

林建設株式会社 代表取締役
日本野球連盟国際審判員
東京調布ロータリークラブ
林 清一 様

林 清一 様

 皆さん、こんにちは。私、調布のリトルリーグで野球を始めて、たまたま世界チャンピョンになり、野球にのめり込んだ次第です。実業団で30歳まで野球をやり、建設会社に勤めた時、野球の審判を始めました。甲子園にも21年間、春、夏、ずっと行っておりました。仕事もちゃんとしていました。

 野球のボールが問題になりましたけど日本のボールは世界最高水準です。1グラムも1ミリも狂いがない。ところがメジャーのボールはすごい誤差があるんです。コスタリカで作っていて、重さ、大きさ、形もバラバラ。それでメジャーのボールは変化球がよく出るんですね。縫い目が高くて風の抵抗で変化するので手の大きいピッチャーは得です。ダルビッシュや田中マー君なんかは日本のとき以上によく曲がっているんではないかと思います。

 私、甲子園のあと、青い服を着た男たちと呼ばれる一員となって、世界大会に呼ばれるようになりました。世界大会での審判団は18名で構成され、メンバーは各国からくるわけですが、中南米が多いんです。野球は中南米が主なんですね。集まってまずミーティングをやるんですがスペイン語で全部説明されるので大変でした。

 オリンピックではアンパイヤーだけの選手村があって、ガードが非常にきついんです。それはアンパイヤーの買収を避けるためなんですね。ですから審判は当日の朝にならないと発表しません。審判村には外部の人は誰一人入れない。アテネのときは海岸沿いだったんですが、海岸にもライフルを持った兵隊さんがいて海からの侵入者に備えていました。移動は専用のバスで同じように移動して同じように帰ってくるという2週間でした。

 そういう中でも中南米の人たちはオリンピックを楽しんでいます。例えば2ストライク取られたら三振と思えという言葉があります。中南米のアンパイヤーは陽気で、よし、明日は三振のときはこういう格好でやるぞとか練習しているんですね。それをやりたくてしょうがない。だから2ストライクになったらもう大体、次もストライクです。外国の選手が早打ちって言われるのは、そういうことだからなんですね。日本は待って四球を選ぼうとするけど、みんな三振取られちゃう。かなり外れていても平気でストライク取っちゃいます。日本は審判に負けたと言われましたけど、それは国際大会ならではです。

 ホームアンドアウェイは野球にもあります。例えば台湾で試合やる時は応援は100対0です。向こうはきわどいプレーは必ずオーロラビジョンでスローでリプレイするんです。何万の観衆が注目しています。スロービデオを見て、あっジャッジを失敗したと思っても、結果が台湾に有利ならもう英雄ですね。逆の場合も随分ありましたけど。

 私、3年前に現役は上がって今は指導をしておりますが、これからも野球復活に向けて微力ながら頑張っていきたいと思っています。

 ありがとうございました。



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