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国際ロータリー第2750地区 東京六本木ロータリー・クラブ The Rotary Club of Tokyo Roppongi

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卓話

2018年11月

卓話『子どもの貧困』平成30年11月19日

栗林 知絵子様

NPO法人豊島子どもWAKU WAKUネットワーク 栗林 知絵子様

NPO法人豊島子どもWAKU WAKUネットワークは、地域の繋がりの中で子どもの居場所作りをしております。この活動をはじめたきっかけは、池袋に公園が少なく、自然がない中で子どもをどうやって遊ばせて成長させようかという課題に対し、2004年に豊島区のプレイパークという遊び場作りに関わったことです。そのプレイパークで、私の知らないような環境で暮らしている子ども達に出会い、貧困問題に関心を持つようになりました。

その後、「子どもの貧困対策推進法」が出来て、厚生労働省が日本の子どもの7人に1人は経済的に困窮している中で暮らしているというデータを出しました。そういう問題がこの国にあるのだと思い、子どもの貧困という問題をテーマに、地域でできることを何かやろうと考え、このNPOが生まれました。

今、世界のフードロスが年間130億トン、日本のフードロスは年間621万トンと言われています。お腹を空かせている人に届けば世界中の飢餓はなくなるという程、食品が捨てられているのです。日本は2002年にフードバンクという、必要なところに食品を届けようという取り組みがはじまりました。その中で子どもの貧困、子ども食堂と、フードロスが繋がることによって、二つの問題を同時に解決できるのではないかと、いろいろな人が動き出しました。子ども食堂は全国2500カ所に広がり、増え続けています。活動しているのは、ほとんど地域の主婦で、子どもを産んで、育てた人たちが子ども食堂を広げています。

全国のひとり親家庭の半数以上が相対的貧困と言われています。ひとり親の家庭は母子家庭が特に多いです。孤立し、社会とつながっていない親が、その価値観だけで子どもを育てると、その子どももまた孤立して生涯を終える可能性があります。

ひとり親家庭の親が抱えている悩みは、やはり経済的な問題です。対して、子ども達の抱える問題は大切にされた経験がないことです。本来子どもは、両親や祖父母から大切にされて成長します。しかし、0歳から3歳の子どもの虐待が一番多いのです。大切にされるどころか、暴力を振るわれた子どもが大きくなって、人を恨んで、人を騙しても、それはもしかしたら親の責任というよりは、社会の責任かもしれないと私は思っています。

私たちは地域で、お腹を空かせた子どもや、高校に行けない子どもに出会い、学習会、子ども食堂をはじめ、本来親や学校がやることを、できる人たちが支える居場所作りをしております。WAKU WAKUホームという、家出ができる、泊まれる、虐待の子どもの一時保護所がいっぱいでも預かれる場所も去年から運営しております。いろんな居場所を作って、暮らしや遊び、学びをサポートする地域を作っております。

就学前の子どもも、地域のおせっかいさんと繋がって、子ども達は人を頼る、困ったときには相談をする、そんな力を手に入れる場所になっています。学習支援は小学生からやっていきます。基礎学力はみんな持って大きくなってほしいと思っています。

子ども食堂は地域の方たちから寄付していただいた食材で、温かいご飯を子ども達に提供しています。家庭で十分な依存体験ができない子も、地域の人たちが子どものために作った温かい手料理を食べて大きくなることによって、人を大切にすることができる大人になっていけるのかなと思います。

そして、大切にされた経験のないお母さんが、一人で子育てをしています。お母さんのことも、「ママもここにきて手料理を食べて、覚えて帰ってね。」と大切にすることによって、子どもを毎回連れてくるのです。社会がもう少し寛容になり、「みんなでこの子を育てようね。」という中で子供が育つことが、子どもの貧困の連鎖を断ち切る方法じゃないかと思っております。

夏休み冬休みに給食がなく、昼ごはんが食べられない子供たちにはフードバンクの食材を個々のお家に今まで送っていました。子ども食堂などの情報も入れて送っていましたが、パンや生鮮食品などは入れられません。そういうものも渡したいという思いからはじまったのが、フードパントリーという取り組みです。

行政、社会福祉協議会、企業、いろんなところに声をかけてできました。行政から、ひとり親家庭や困窮家庭などにフードパントリーの情報を届けてもらい、企業にお借りした場所にフードロスの食材を集めて、申し込みをしてくださったお母さん方に取りに来てもらいました。そうすることによって、「私のことを気にかけてくれている地域の方がここにいる。」、「同じように苦しいお母さんがいて、私だけじゃない。」という思いを持ち、いろんな困りごとを私たちに話してくれるようになりました。これは地域のコミュニティを作っていく可能性を持っていると思います。

地域にいろんな遊び場、学習支援、空き家をマッチングするような居住支援、食の支援、暮らしの支援など、いろんな人たちが今活動をはじめ、繋がり始めています。

行政をはじめ、おせっかいな人たちが、子ども達をそこに繋げ、子ども食堂に行っている子どもをさらに学習支援に繋げたりする中で、大切にされる、自立していく子ども達を増やしていきたいと思っています。

ぜひ皆さま、ひとりひとりができることを一緒に考えていただければと思います。

ご清聴ありがとうございました。

卓話『「声」から心身を健やかに~響きのアンチエイジング~』平成30年11月26日

嶋貫 郷子様

ヴォイスデザイントゥービーワン 代表 ヴォイストレーナー 嶋貫 郷子様

本日は響きから心身を健やかに若く保つ秘訣をお伝えしたいと思います。

アレルギーにより体調を崩した時期に、呼吸や発声をしっかり習うことによって健康になるのではないかという母の勧めがきっかけとなり、声に携わるようになりました。呼吸や身体の調整によって本来の声を取り出していくというボイストレーニングの方法で、熊本と東京を拠点に、皆さまの声のお手伝いをさせていただいております。

難しい条件のもとで正確性を求められ、心理的にも肉体的にも喉にも負担が大きいニュースキャスターには、声のメンテナンスをお伝えしています。若手芸人の養成所では、舞台に上がった時、皆さまを引き付けるような声の力を取り出してほしいというオーダーがあります。ミスユニバースなどのコンペティターは、内面の美しさをしっかりと表現していく必要があり、社会的な活動の場面で自分の考えをしっかり述べ、表現する力のお手伝いをしています。加えてご年齢とともに声が出にくくなった方や心理的にお話をすることが難しい方、また学校に行くと十分に表現ができないお子さんなど、声に関しての様々な要望が多くなっています。

声の悩みや皆様が求められるニーズはそれぞれですが、私が共通して大切にしていることは、本来の響きを取り出すこと、そして健康な声であることです。声は、骨格や育った環境、家族の影響などいろいろな要素がありますが、十人十色の声をしっかりと魅力として引き出していくことを大切にしています。そして健康な声は、自身の気持ちを支える面でも大切ですし、周りの方もその声を聞いて元気になり、人を引っ張っていく力になると思います。

発声するための器官である声帯に話すことや歌うことをすべて任せてしまうと、喉を傷める原因になります。お寺の鐘を突いた時の響きや、太鼓をたたいた時の空気の振動と同様に、人間は聴覚上、耳だけではなく皮膚組織でも声を感じています。このように本来の声というのは喉だけではなく身体に響かせた声があります。呼吸や身体を整え、身体に響かせる発声方法によって、本来の声を取り出していきます。

人間の身体は、声を出すという意味では楽器のようなものですが、楽器の音の鳴りや響きが良くなるためには何が大切でしょうか。演奏者の姿勢、呼吸、そして楽器の向きです。これはまさに声に関しても同じことが言えます。立位で横から見た時に、耳・肩・腰・膝・踝が一直線になる姿勢、正面から見た時に、耳・肩・膝・踝が一直線になる姿勢「ニュートラルポジション」が大切です。腹式呼吸は吐く息が強い呼吸ですが、お腹は呼吸によって付随して動くため、力を入れて動かす必要はありません。お腹の中に風船があることをイメージすると、内側からの力で呼吸の量を増やしていくことができます。入っていく力、吐く力、内側の吸う吐くの力がとても大切です。そして下半身はしっかりと立ち、上半身の軸をまっすぐな状態で立つために、背中の僧帽筋と肩甲骨の可動域を意識して胸を開きます。本来は頭のてっぺんからつま先までの調律、そしていろいろな筋肉の調整が必要ですが、この姿勢・呼吸・胸を開くという3つは簡単にできますので、是非トライしてください。

喉のケアとベロの力も大切です。ベロの力を抜き下の歯にのせることで、ベロの奥の喉の力が抜けます。そのまま声を出すと低い声が出ますが、そうすることで舌下腺から唾液が出やすくなり、乾燥や冷え、ほこりなどの影響を受けやすい声帯を緩め、自分の力で声の若さを取り戻すことに繋がります。またマイクをお持ちになる機会がある場合、マイクを握らずに手首を開放することで声を出しやすくなります。日々の中で是非実践してください。

生まれ持っての声は変わらないのではないかと考える方もいらっしゃいますが、実は声ほど変わるものはありません。トレーニングをすることにより、健康になり、本来の声を取り出していくことができます。その声で自分自身を健康に支えられることももちろんですが、周りの方を勇気づけ、引っ張っていく力になると思います。

声を健康に保つことをひとつの観点としてお持ちいただけたらと思います。

ありがとうございました。



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