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国際ロータリー第2750地区 東京六本木ロータリー・クラブ The Rotary Club of Tokyo Roppongi

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卓話

2018年12月

卓話『「良き隣人」として共に発展を』平成30年12月3日

中国大使館交流部参事官(大使夫人) 汪 婉様

中国大使館交流部参事官(大使夫人) 汪 婉様

大使と共に2010年2月に日本に参りまして、任期は8年半を超えました。この間の中日関係は、国交正常化以来最も困難な状況に陥った時期があり、紆余曲折な8年でした。昨年は国交正常化45周年、今年は中日平和友好条約締結40周年です。両国が記念すべき二つの重要な年をきかっけとしてしっかりと掴み、今年に入り関係改善の勢いが強まりました。5月に李克強総理が8年ぶりに日本を公式訪問、そして10月には安倍総理が7年ぶりに中国を公式訪問しました。私も大使と共に受け入れ側として安倍総理訪中のプロセスに参加しました。本日は今の中日関係の新しい情勢をご説明したいと思います。

両国総理が相互訪問をしたことにより、安倍総理が長い間重要視してきた首脳外交が実現しました。また昨日閉幕したG20サミットでも習近平主席は安倍総理と会談が行われ、中日のハイレベルな交流の勢いが保たれたと言えます。両国の間には領土問題、歴史問題などの敏感な問題も存在しますが、適切に処理をすることで一致しました。そして両政府の間での12項目の協力合意文章の調印、民間企業の間では52項目の合意あるいは契約が結ばれました。さらに人的往来を一層拡大するために、来年2019年を中日青少年交流促進年と決め、2020年の東京五輪や2022年の北京冬季五輪を契機として、交流と協力を強化していくことで合意しました。国際問題に関しては、世界第2位3位のエコノミーとして自由貿易を共に守り、保護主義に反対するという立場を表明しました。そしてRCEPの交渉を今後加速していくこと、早期妥結を目指して連携していくことの重要性を確認しました。

今年は中日平和友好条約締結40周年ですが、40年間で両国の人・モノ・お金の交流を巡っての成果は飛躍的に拡大しました。国交正常化当初は10億米ドルだった貿易額が、3000億ドルに回復し、日本の直接投資額は第3位、進出企業数は第1位と、経済関係は非常に密接で相互依存関係になっています。そして国交正常化当初は双方向で1万人程であった人的往来は、2017年には1千万人に達しました。都市、地方自治体、友好提携の交流も盛んで、252組の友好都市が結ばれており、日本も少子高齢化や人口減少、地方創生の必要性から、中国人観光客の誘致、外国人材の受け入れに力を入れています。近年では、医療や介護技術、環境保護といった実務レベルの交流が盛んです。

今年は中国平和友好条約締結40周年だけではなく、中国の改革開放政策実施40周年の年でもあります。中国は1980年代からの対外開放により世界各国と経済連携を強め、海外からの投資を受け入れ、経済成長が始まりました。2013年度までの総額3兆円を超える日本のODAにより、インフラ整備のためのプロジェクトを実施し、現在の経済成長が実現する上で非常に大きな役割が果たされました。WTO加盟によりさらに高度成長を続け、現在は世界第2位のエコノミーとなっています。

世界各国の協力を得て世界のグローバル経済の下で高度成長を続けてきましたが、基本的にはアメリカをはじめとする先進国がリードして作られた国際ルールに沿って発展したと思います。しかし近年の中国の飛躍的な発展に対して、先進国は警戒を持つようになります。日本でも中国の、経済発展により、中国に飲み込まれるのではないかという議論があります。皆さんの関心は、中国の発展は日本にとってチャンスなのか脅威なのかということです。長い歴史において日本が鎖国政策をとっても開国政策をとっても、中国は一度も戦争をしかけたことはありません。日本が隣国として2000年にわたって中国と付きあう経験があれば、十分判断できるはずだと思います。いまアジアは発展の活力や潜在力に満ちた地域です。重要な2ヶ国が良き隣人として共に発展を目指すことで、双方の国民は安心できるのではないかと思います。

昨日閉幕したG20で習近平主席とトランプ大統領は、追加関税を一時見送ることで合意しました。近年アメリカは中国に対して神経質になっているのではないかと感じています。しかし中国は、アメリカに対して仕掛けるつもりも対抗するつもりもありません。今回安倍総理が中国を訪問された際に、習近平主席は、中国は近代以降、立憲君主制や資本主義制度を採用した過去があるがいずれも成功せず、今の共産党指導、社会主義体制が民を率いて、今日の経済大国となった。そしてそれを他の国に押し付けるつもりはない、ということを、多くの時間を割いて説明しました。日本の教育のレベルや各地の経済発展の度合い、医療や社会福祉のカバー率は非常に高水準で、14億の人口を擁する中国が均質の国になるには、道のりは長いと思います。中国がこれからもっと改善の努力をしていくところだと思います。

ロータリークラブの4つのテスト「1.真実かどうか 2.みんなに公平か 3.好意と友情を深めるか 4.みんなのためになるかどうか」この行動基準を、トランプ大統領が、自国も含めすべての国に対して要求するならば、より過ごしやすく安心できる世の中になるのではないかと思います。

ありがとうございました。



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