地域貢献と奉仕の理想を追求する 東京六本木ロータリークラブ…「和気藹々」―笑顔で元気に六本木らしく―

国際ロータリー第2750地区 東京六本木ロータリー・クラブ The Rotary Club of Tokyo Roppongi

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卓話

2018年10月

卓話『今までの私と、ロータリーがくれたもの』平成30年10月1日

プトロ ラディティヨ ハルヨ様

ロータリー米山記念奨学生 プトロ ラディティヨ ハルヨ様

私は東京西南ロータリークラブに所属しています。

本日は私の自己紹介と、ロータリークラブと出会って、私にどのような影響があったのかということをメインにお話させていただきます。

私はインドネシアのジャカルタ出身で、父は元パイロットで、現在はパイロットのインストラクターの仕事をしています。母はインドネシアでレストランを営業しています。私は17年ほどインドネシアで暮らしていて、幼い頃からシェフになりたいという希望があり、17歳でシンガポールに留学しました。調理師専門学校に通い、学校では世界の料理、主にアジアとヨーロッパの料理を勉強し、インドネシアに戻って、バリ島にあるインドネシアで一番有名な「モザイク」という美食レストランで6ヶ月働きました。インドネシアとフランス料理を総合した面白いレストランでした。しかし6ヶ月間働く中で、もっと社会に貢献できるような仕事がしたいと考えるようになり、もっと勉強をしたいなという気持ちがありました。日本の友人から留学についての連絡をもらい、まるで運命が変わり始めた。そこで私は日本に留学することにしました。

日本へ来て、まずは日本語学校で1年間日本語を勉強しました。そこから、進学を計画する時に、私は大学でどのような分野に入れば良いのかとずっと考えました。大変悩んていたことですが、元々食に興味があったことを思い出し、今から4年前に私が東京農業大学に入学しました。今は持続可能な農業の研究をしています。

学生生活や活動について

私が今勉強している分野はアグリビジネスという専攻で、普通のビジネスとは少し違い、農業のビジネスです。そしてその中で「パーマカルチャー農法」についての研究を踏み固めました。様々な組み合わせで農生態系をデザインし、作物にどのような効果があるのか、周りの環境にもどのような影響があるのかということを研究しています。例えば、人参やバジルをチェリートマトと一緒に植えれば、本当に良い影響があるのかということをこの研究で検証していきます。

部活動では、世界農業の問題を解決するための国際農業フォーラムに参加し、農業の問題点とそれぞれのソリューションを学生として話し合います。活動の中で日本から離れて台湾に他国の大学生を集めたことがあり、その場で私たちは一緒に世界における農業の問題を解決しようという活動を行っていました。

学外での活動について

去年まで2年間、シェフのスキルを再び行かせる活動に携わりました。「醤油レシピとエピソードコンテスト」では、インドネシアのレシピと日本の食材を使ってフュージョンなレシピを開発し、銀賞をいただきました。私はイスラム教で、豚肉やお酒などを消費することがいけません。しかし日本には、それらを使った料理がたくさんあります。そこで私はハラールを広める会社と協力し、ハラールワークショップなどに参加をして、日本の方にハラールのことについて説明し、同時にハラール料理も実際に紹介する活動もしています。また、モデルとしての仕事も少ししていて、去年はメトロの千代田線の広告に出させていただきました。またインドネシア料理の紹介でNHKワールドにも出演し、インドネシア風の弁当を世界の方に紹介させていただきました。本当に色々な経験をさせてもらったと思います。そして、在日のインドネシア留学生の協会でも、今現在東京にいるインドネシアの学生たちとの交流をコーディネートし、困っている留学生をサポートするような活動もしています。母国から離れて、やはりインドネシア留学生の間にある絆をさらに強めたいと思いました。力になればいいなと思ったきかっけに、私は3年前にこの在日インドネシア留学生の協会に参加しました。

ロータリークラブの活動について

ロータリークラブに参加して、たくさんの貴重な出会いがありました。

ロータリークラブはポリオを解決する組織というイメージが強くありましたが、1年間活動していく中で、平和を求めることや環境保全の活動もあり、大変思った以上にすばらしい組織だと感じました。参加させていただいたロータリーの活動の中で、国際講師として日本の高校生にインドネシアについて紹介をすることをはじめ、今年の夏の懇親会ではカウンセラーの方との出会いや、新しい友達との出会いもありました。

ロータリークラブに参加していなければ出来ない経験ばかりです。奨学金をもらって日本で勉強が出来ることに大変感謝していますが、それよりもロータリークラブでの活動から、私の心が変わったということが非常にすばらしいものとして与えてくれたのだと思います。人を助けるという気持ちを持った方がたくさんいて、皆さんとの出会いから、私ももっと人を助けることが出来るはずだと感じました。したがって、私は去年から自分の誕生日に新しい伝統を作って、必ず孤児院の子どもたちに寄付して、一緒に一日を過ごすことにしました。「みんなを幸せにする」このような考え方が出来るようになったのも、ロータリークラブでの活動があったからこそだと思います。

ロータリークラブに参加することが出来て、本当に感謝しています。ありがとうございました。

卓話『インスピレーションになろう』平成30年10月15日

ガバナー 服部 陽子様

ガバナー 服部 陽子様

今年度のRI会長のバリー・ラシンさんが掲げているテーマは「インスピレーションになろう」です。相手を意欲的にさせるという意味を持つ、インスパイアーできるような存在になろうという意味です。RI会長は、「奉仕活動をすることで世の中の一隅を照らして、地域社会への、そして国際社会へのインスピレーションになってください」と強く訴えています。

RI会長が今年度優先事項としている事、一つ目はポリオ撲滅です。30年来ユニセフやWHOと共に取り組んできたプログラムで、撲滅までもう一歩というところまできました。しかし最後の最後で達成されておらず、今大変厳しい状況です。マンパワーも予算も必要になる為、2750地区としても今年度の優先事項として掲げ、一人30ドルの寄付を目標にしています。ロータリークラブは地元の社会への支援が基本にありますが、世界中200以上の国にクラブがあります。共に手を繋いでひとつの意義あるプログラム・事業を達成することも、組織の会員であることの喜びと言えるのではないでしょうか。

次にロータリーデーの開催です。地元の地域社会の皆様にロータリーの存在を知っていただくことが目的です。それに伴い、地区では来年の5月12日に99のクラブが集結してロータリーデーを開催することが決定しています。

RI会長からの優先事項を受けて、今年度地区では、繋がりを大事にしたいと思っています。会員、クラブ、地区、RI、あるいは地域社会。その繋がりを強いものにし、距離を縮めていきたいと考えています。繋がりでこそお互いに交流し合い、活動ができ、インスパイアーし合うことも可能になると考えます。そのために地区のホームページの充実やクラブを超えた同好会の支援に取り組んで参りたいと思います。

インスピレーションになれるクラブを目指すには、会員基盤を確立し、充実した奉仕活動を行うということが重要です。会員基盤を確立するためには、クラブの立てた増強の目標数の実現を支援することが地区の目標であると考えます。新しい会員を迎える事は大変素晴らしい事ですが、それ以上に、現会員の方がずっと会員でい続ける事が大切ではないかと思います。クラブにしっかりと繋がり、繋いだその手を離さないでいただきたいと思います。

1905年2月23日、シカゴでそれぞれ違う職業を持った4人が集まって会合を開きました。これがロータリーのはじまりです。2名が退会した後、新しい仲間を作ってロータリーを発展させていきました。アメリカ中にロータリーが広がり、さらに世界中にも拡大して、20年後にはクラブ数およそ2000、会員数は11万人にもなりました。なぜ短期間に大きな発展を遂げる事ができたのでしょうか。ロータリーの歴史について書かれた「奉仕の一世紀」から紐解きます。その頃の会員は、世界のどんなクラブとも違う本当に素晴らしいものだと心の底から信じ、大変満足をしていたことが分かります。話を聞いた友人や知人が入会し、それを友人知人に語るという繰り返しにより大きく発展しました。素晴らしい人との出会いや信頼できる仲間がいる事、そして仲間と共に奉仕活動をすることで、少しでも社会の役に立てるという喜びがありました。日々自己研鑽し、高い志を持ち、他者への愛を忘れず、倫理観を大事にし、高潔性を重んじていく。そして互いに影響し合い高め合っていく。その中に身を置いている事への満足が大変大きかったのではないでしょうか。それから113年という時が経ちますが、これは今も変わらないロータリーの真理と言えると思います。とはいえ一世紀以上の月日が流れると、社会の事情も人の価値観も生活様式も、色々な事が変わります。伝統を大切にしながらも、いつも今の時代に息をしているロータリークラブである必要があります。

RI会長は、RIテーマの発表に引き続き、「私達ロータリアンは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で持続可能な良い変化を生む為に、手を取り合って行動する世界を目指しています」というロータリーの新しいビジョン声明を発表しています。これを受け2750地区の戦略計画委員会では「地区は、地区内のロータリークラブが、ロータリーの理念・目的を理解し、ロータリーの規則を守った上で、伝統を大切しつつ時代に沿って、それぞれ個性あふれるビジョンを持ち、多様性と活気にあふれ、地域社会、グローバル社会に良い変化をもたらす行動ができるように支援する」という戦略計画ビジョンを作成しました。今は日本の中だけでも2300近いロータリーがあります。それぞれのクラブが、ビジョンをしっかりと持って良さを強めていくことが問われている時代になってきていると思います。

またロータリークラブの多様性も大変重要です。ロータリースタートの時からある職業分類による多様性は今も変わらず、また年代別、性別も多様性に繋がります。ただ集うだけではなく、お互いにいい刺激を受け合って成長することが出来てこそ、本当の多様性の意味だと考えています。

ロータリアンにとっては、活動と寄付が大変尊い奉仕であると考えます。最後に、ロータリー財団を創設したアーチ・クランフの言葉を紹介します。「金だけでは大したことは出来ない。個人の奉仕は金が無ければ無力である。この2つが組み合わされば文明は天の恵みとなることが出来る」

ありがとうございました。

卓話 インスピレーションになろう

※画像をクリックするとPDFが開きます。

卓話『まだ間に合う。未来へ向けて飛躍せよ』平成30年10月29日

福井 俊彦様

キャノングローバル戦略研究所 理事長 福井 俊彦様

IMFが10月に発表した世界経済見通しによれば、2018年の実質成長率は3.7%、2019年も3.7%です。過去の経験から見ると、石油価格の高騰など不規則な事が起こりにくい、比較的居心地のよい状況です。7月の時点では3.9%と予測しており、0.2%の下方修正が施されています。その理由として、リーマンショック後10年が経ち、世界経済の循環的な動きが成熟して、この先多少経済がスローダウンしてもおかしくない局面である事が一つと、米国と中国との経済摩擦の今後の成り行き次第で、世界経済全体に多かれ少なかれ悪影響が及んでくるのではないかという事を織り込んでの結果です。

失業率はアメリカが3.7%、日本が2.4%と、リーマンショック後に急上昇した動きがその後10年で吸収され、ほぼ完全雇用といっていい水準です。ユーロ圏は8.1%と心持ち高めで、米国や日本と比べると雇用情況の改善がやや遅れている状況です。

消費者物価上昇率は、先進国、発展途上国を問わず低い水準で安定した状況です。その中で日本のインフレ率の低さが目立っています。日本においては、世界に先駆けて急速に総人口や生産年齢人口が減少しています。これは経済成長率のマイナス要因です。このマイナス要因を全て埋め尽くしてプラスを稼ぐほど新しいイノベーションが起こり、生産性が上がるという状況には到っていないのが現状です。

経済の現状を大掴みに知っていただく意味で若干の数字を申し上げましたが、IMFが世界経済の成長率見通しを下方修正した理由の一つとして掲げた、米国と中国との間の貿易摩擦については専門家の間で色々な議論がなされています。私はかつての日米貿易摩擦の際に大変苦労した経験がありますが、今の米国と中国との間の貿易摩擦は単に経済的な摩擦だけではなく、それを超えた次元にあると理解しています。米国、中国、この巨大な両横綱が世界の覇権を巡り争いの本番を迎えようとしている状況だと考えます。中国は秦の始皇帝の時代まで遡るだけでも2200年を超える歴史を持っていますが、この長い間一度も民主化したことがありません。一方で米国は建国以来まだ300年にも達していませんが、民主主義や自由経済、人権尊重など、我々が共有している近代の価値体系を代表する存在です。世界経済をリードする役割に加え世界の安全保障の要の役割も果たしています。単に経済的理解だけではなく、世界のヘゲモニー争いという観点から問題を分析して今後の推移を見る必要があり、その狭間にあって、多くの国は自国をどのようにマネージしていくか、容易に答えを出しにくい状況になっていると思います。

また少し別の角度から世界の動きを見ますと。1978年に中国の鄧小平が改革開放路線に踏み切り、1980年代末にはベルリンの壁の崩壊により、東ヨーロッパ諸国が自由主義経済の仲間入りをしました。この結果自由主義経済の領域が広がり、グローバル化が急速に進んだと言われています。加えて、1980年代半ば頃からコンピュータの小型化が始まり、更に1990年代半ば以降にはインターネットの普及で情報通信が高速かつ豊富に国境を越えて交わされるようになりました。経済のグローバル化と情報通信革命の流れから、国境や地域の壁を越えて、ヒト、モノ、カネ、情報が自由に行き来する世界になりました。歴史の古いヨーロッパでは、民族対決や宗教戦争を経て懲りに懲りた結果、1648年のウェストファリア条約以降、「一定の地域の囲いの中に住んでいる人達は互いに仲良くしよう。外からの攻撃に対しては力を合わせて防御しよう。この囲いを越えて外に侵略することもしません。」という国際法の理念の出発点ともなる国家形成がなされてきましたが、今、このようにして作り上げられてきた国民国家の枠組みが次第に壁を裂かれている事態になっていると私は理解しています。これにより個々の経済主体、企業や個人のビジネスの競争が激化する事態を招きます。競争激化の結果として経済の中での新陳代謝が激しくなり、優勝劣敗により貧富の格差の広がりに繋がっています。その結果社会の中に不満が蓄積し、政治の面では不満を自然に発露する「ポピュリズム」が世界全体の共通トーンとなっています。したがって米中対決という新しい局面にあるだけではなく、世界いずれの国においても理念を掲げた新しいリーダーが出にくい社会になりつつあると考えます。

日本は戦後いち早く復興を遂げ、民主的な社会の構築と自由な経済発展の道をひた走ってきました。経済の価値体系を前面に置き、安全保障や文化の価値体系をやや後に置いて、欧米先進諸国に追いつけ追い越せという目標に向かってスクラムを組み、成功物語を作り上げました。人により力や貢献度の違いがあったにせよ、類ない程「公平な社会」を実現してきたと思います。

今後の日本の重要な課題は、これから先さらに急速に人口が減り、高齢化が進む社会の中で、経済と安全保障と文化の価値体系をどのようなウエイトで組み合わせて新しい仕組みを作るかにあります。人口減少を補って余りある程の新しいイノベーションを興していくこと、従来の企業の枠組みの中から出てくるものを遥かに超えたレベルの最先端のイノベーションを、皆でサポートしていかなければなりません。そして、社会保障費用が国全体として益々嵩んでくるという状況に対して、費用を負担する側と受益を受ける側、つまり世代間の受益と負担のバランスについて冷静に議論しながら、次の制度設計をしていく必要があります。

日本が今運営している社会保障制度を当初設計した際には、これほど急速に少子高齢化が進み、高齢者のウエイトが増えるという前提に立ったものではなかったように思います。人口動態について、制度設計時と現実とのギャップがどのように開いているかを国民の前に明らかにした上で受益と負担の関係を再調整し、これを基に社会保障制度の改革を行なうとともに、財政再建に乗り出すことが必要になります。高齢者も自ら負担すべきは負担するぐらいの覚悟を持つことが必要です。そして独り立ちする若者をしっかりと鍛え、積極的に応援しながら、広くグローバルに展開できる新規ビジネスがどんどん芽生えていくような仕組みを作っていくことが求められています。

ありがとうございました。



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