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国際ロータリー第2750地区 東京六本木ロータリー・クラブ The Rotary Club of Tokyo Roppongi

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卓話

2018年5月

卓話『eスポーツの未来と可能性』平成30年5月7日

古澤 明仁様

(株)RIZeST 代表取締役 古澤 明仁様

私はeスポーツと出会う前にパソコンの周辺機器メーカーに勤めており、その時に、eスポーツ向けのマウス、キーボード、ヘッドセットを扱うビジネスに携わっておりました。右も左も分からない状況でeスポーツの業界に飛び込んだのは2013年の春です。ネットカフェなどに毎週末ファンが集まって、いろいろなゲームの大会が行われていますので、私は製品を携えてお客様と一緒に参加しました。ある時に千葉県のネットカフェでゲーム大会をしたのですが、この時初めて「eスポーツって凄いな、可能性があるな」と感じました。その時、小さな部屋の中には20名程しかいなかったのですが、インターネットを通じて戦いの模様を見守ってくれるお客様が約1500名もいたのです。今このIT社会の中で、必ずしもその会場にいなくても、スマートフォンやパソコンやタブレットを通じてまるでそこにいるかのような臨場感を体験できるといったところも、eスポーツの魅力なのかなと気づきました。

そして2013年に20人程しか集まらなかったeスポーツのイベントは、たった数年で2017年夏には幕張メッセで4000人の会場規模で行われ、数日でチケットがソールドアウトし、インターネットを通じて20万人以上がこの大会を見守りました。

eスポーツをプレイしている人を見ているファンの数というのは2017年末時点で、世界で3億8500万人います。東京オリンピックが開催される2020年には、6億人に達する勢いです。ゲームはもはやニッチなものではく、eスポーツというのは世界で楽しまれているスポーツジャンルであるといったことが申し上げられると思います。

皆さんの中にはゲームってそもそもスポーツなのか、とお考えの方が非常に多いかと思いますが、日本におけるスポーツの解釈と欧米諸国におけるスポーツの解釈というのは、大きく異なっているのです。これが認知の大きな乖離を生んでいると考えておりまして、欧米だと「スポーツ」=(イコール)「競技性を持ったもの」であり、必ずしも身体を動かすものだけではなく、チェスなどのマインドスポーツといわれるものもスポーツとして捉えられています。そもそもスポーツは、狩猟社会のときには格闘技などの身体系の競技、農耕社会になるとフィールド競技、更には工業社会ではモータースポーツが生まれ、そして現代、情報社会ではeスポーツという風に歴史的、社会的な変化に合わせて新たなものが生まれてきております。eスポーツが現代の情報社会における、最先端のスポーツであるということは、歴史的な背景から見ても全く不思議なものではないと私は考えております。今年2月に冬季オリンピックが開催された平昌でeスポーツの大会が行われました。eスポーツは身体的な能力や年齢は一切関係ありません。その大会で優勝したのが24歳のカナダ人の女性でした。これはスポーツ業界にとって、大きな躍進であり、大きな発見であると思います。

eスポーツは国籍、人種、言語、宗教、性別といった違いとされるものを全て超越したスポーツなのです。

今、様々な企業がeスポーツ業界に参入してきております。その理由のひとつとして、eスポーツはプレイをメインにする方の8割が35歳以下、男女比は7:3です。観戦をメインにする方は、35歳以下が72パーセントで男女比は6:4です。現在テレビ離れですとか、若者の関心が多様化していますので、若者に人気があるeスポーツというジャンルにアプローチするために様々な企業が投資し、参入しています。

事実、ヨーロッパのサッカークラブチームの多くがeスポーツのチームを発足しています。アメリカのバスケットボールのNBAのチームもeスポーツのチームを持っています。国内でもeJリーグという、サッカーゲームの大会も行われています。

教育分野では、アメリカだけではなく、アジア諸国そしてヨーロッパでeスポーツの大学、専門学科も出来ております。最近ですと中国の名門大学である北京大学もeスポーツ学科を設立しました。日本も2016年にeスポーツの専門学校ができました。

ようやく国内でもeスポーツの統合団体として、日本eスポーツ連合、「JeSU」という団体が発足しました。eスポーツの普及、発展、産業の振興を目的にした団体です。こちらの団体は、主に経済産業省から大きな支援をいただいております。そしてこの団体が向こう数年力を入れていく事業が、eスポーツプロライセンスの発行、高額賞金の付与、そしてJOC(日本オリンピック委員会)への加盟というのも水面下で目指しております。

今年アジア競技大会がジャカルタで開催されますが、そこでもeスポーツがデモンストレーションとして行われる予定です。そして2020年東京オリンピックでも文化啓蒙の座組みとしてeスポーツを取り上げていこうと準備を進めています。2022年の次回のアジア競技大会では正式なメダル種目になりました。2024年の夏季オリンピックでメダル競技にしたいと、IOCと協議をしている最中であります。

東京オリンピックが開催される2020年というのが日本にとって、大きな産業の起爆剤になるであろうといったことは皆さんご承知の通りだとは思いますが、2020年がeスポーツのパラダイムシフトの年でもあり、オリンピックだけでなく、5Gネットワークのような新たな国を挙げての産業とのコラボレーション、IOTのようなテクノロジーもeスポーツとの相性は非常に良いので、文化的な啓蒙だけでなく、経済的な発展もeスポーツから生まれてくるのではないでしょうか。

是非皆さんにはeスポーツって盛り上がっているのだなと、一人でも多くの方にeスポーツの可能性について啓蒙いただき、機会がありましたら、eスポーツのビジネス、社会的な貢献についてお話しする機会をいただければと思います。

ご清聴ありがとうございました。



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